超遠心分析(Analytical UltraCentrifugation; AUC)は、溶液に最大29万xgという大きな遠心力をかけ溶質が時間とともに沈降する様子を観測し、得られた沈降挙動を解析することで溶質の形状や分子量、分散・会合状態などを明らかにする方法です。AUCの理論は、強固な熱力学と流体力学に基づいており、沈降挙動の解析から、沈降係数と拡散係数、さらに分子量などの物理化学的パラメータが得られます。また、流体力学的形状や分子半径、さらに分子間相互作用の程度などの溶液物性に関する情報を得ることも可能です。
現在AUCは、医薬品、材料など様々な分野で不可欠な手法となっており、2017年にはXL-AとXL-Iの後継機としてOptimaが発売され、さらなる発展が期待されています。
本基礎講座では、超遠心分析の原理や解析方法、データ解析に用いるソフトウェアや実際の解析例をご紹介しております。
ベックマン・コールターの分析用超遠心機をお使いの方も、まだ使ったことはないけれど興味をお持ちの方も、ぜひご覧になってみてください!
AUCの検出原理と解析理論、さらにAUCにより解決可能な課題、すなわちAUCによりできること、を説明します。
超遠心分析に最も広く仕様されているソフトウェアの概要と超遠心データ解析における特徴と利点について、説明します。
様々な分野における超遠心分析速度法の利用例を紹介します。
様々な分野における超遠心沈降平衡法の利用例を紹介します。
バイオ医薬品の凝集体評価における超遠心分析の位置づけと意義についてご紹介します。
溶液中で分子同士が相互作用し、平衡状態にある場合の超遠心分析の解析方法と解析例をご紹介します。
電子機器の材料などの分野で幅広く使用されているナノ粒子の超遠心沈降速度法による粒度分布解析についてご紹介します。
超遠心沈降速度法は、遺伝子治療用ベクターの品質管理に大きく貢献できる分析法の1つと考えられます。
内山 進 教授 大阪大学 大学院工学研究科 生命先端工学専攻 高分子バイオテクノロジー領域 内山研究室
クラユヒナ エレナ 特任教授 同上、株式会社ユー・メディコ
野田 勝紀 特任研究員 同上、株式会社ユー・メディコ
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